ソラマメブログ

2007年06月25日

スクリプトの書籍について

なんだかお腹の調子が悪いMizです。
昨夜食べたレッドホットチキンが辛かったせいかもしれません。

まあ、お腹はどうでもいいのですが、以前より何度か、あちこちの企業様より、
「スクリプトの本を書きませんか?」
という依頼を受けています。

全てお断りしているのですが、たびたび依頼があるのでここで今一度当blogのスタンスを明示しておきたいと思います。
「初級スクリプト」の最終回にも書いたことですが、私がこのblogでスクリプトの記事を書いている動機は、多くの人にlslで遊んでいただきたい、という一点のみです。
この点は他の多くのblogと同じ考えなのではないかと思っております。
buildの方法を書いてらっしゃるblogや、テクスチャの描き方を解説してらっしゃるblogなどなど、どのblogもセカンドライフを多くの人に楽しんでもらいたいという気持ちが根底にあるのではないかと思います。
そうしたテクニックを公開することは、自殺行為でもあります。
優れたノウハウを公開してしまうと、そうしたノウハウを用いて作った商品の価値が相対的に下がるからです。
現にこのblogに書いた記事に関して、
「そのスクリプトを公開されたらうちの商品が売れなくなるじゃないか」
というクレームが来たこともあります(^^;

しかし、全体的な目で見ると、自分の商品が多少売れるよりも、多くの優れた商品がセカンドライフ内に出現したほうが面白いじゃないかと思うのです。
他にはあまり出ていないような情報をたまに書くのは、そうした理由からです。

また、なるべく詳細な解説を心がけたのは、スクリプトはオープンであるべきだと思っているからです。
はっきり申し上げて、スクリプトは敷居が高い分野です。
今までプログラミングに触れたことの無い方には特に難解な技術だと思います。
ですが、今までやったことがないからと言って、スクリプトの才能が無いとは断言できません。
もちろん、逆に、誰でもがスクリプトをマスターできるなどとは思ってはおりませんが。

スクリプトを作れるかどうか、そしてスクリプトを楽しむことができるかどうか?
それはやってみなければわからないことだろうと思うのです。
「興味はあるんだけど、どうしていいのやら・・・」
「面白いかどうか試してみたいんだけど・・・」
そういう方には特に、スクリプトを体験してみていただきたいのです。

このblogで書いているスクリプトの記事は、大半がそのような初心者さんに向けた内容です。
「まずはやってみよう」
「なんだかわからないけど試してみよう」
そのためのテキストを書いてきたつもりです。

そうしてスクリプトを実際にいじってみて、
「なるほど、面白いものだ」
と思う方もいれば、
「うーん、私には向いて無いな」
と思う方もいることでしょう。
それが分かるだけでも、一連の記事を書いてきた甲斐はあると思っています。

もしも面白いと思ったなら、続けてスクリプトで遊んでいただければ良いし、
向いてないと思ったなら、スクリプトに無駄な時間を費やさず、他にもっと楽しいことを見つければ良いのですから。
どちらにしてもハッピーです。

そんなふうに、
「スクリプトは面白いのかどうか?」
それを知る機会は、やはりオープンに与えられるべきだと思っています。
書籍を買ってみて、試してみたけど、
「やっぱりよくわかんないや・・・」
というのは勿体無いですよね。

lslの書籍を出版したい、という企業の皆様には、申し訳ないことだと思います。
ハッキリ言って私は商売の邪魔をしているようなものですから(^^;
下手な書籍以上に丁寧に、詳細な解説を心がけてきましたので、なかなかlslの書籍も出しにくいんじゃないかと思います・・・。

そう言うわけで、初心者さん向けの情報はかなり力を入れて書いてきましたので、書籍化するとしたら、今度は中級者向け情報など、一歩進んだ内容のほうが良いかもしれません。

・・・とか言いながら、先ほどlslリファレンスの一部をアップしました(^^;
リファレンスというのはスクリプトの辞典のようなものです。
スクリプトの書き方をある程度理解した人向けに、「どの関数にはどのような機能があるのか」を詳細に書いたものです。
言わば中級者向けの情報です・・・。
もしも一連のリファレンスが完成してしまったら、書籍化すべき内容は・・・あとは何があるでしょう。

大変申し訳ありません(__;

しかしながら、リファレンスの作成は「初級スクリプト」以上に困難な作業になるのは間違いありません。
今の時点で私が最後までリファレンスを作成できるとはお約束できませんし、途中で血を吐いて死ぬ可能性もありますので、まだまだlslの書籍化の道は残されています。
あくまでもマイペースで私は進めていきますので・・・。

と、このように宣言した以上は、今後も私が書籍化に関わることはありません。
ご依頼下さる企業の皆様には申し訳ありませんが、どうかご理解いただければ幸いです。



同じカテゴリー(その他)の記事
 BlackSheep-LSL@Wiki (2007-09-11 15:58)
 鶏と赤ん坊 (2007-04-23 18:15)
 キーワードアドバイス (2007-04-06 16:45)
Posted by Miz at 17:08│Comments(18)その他
この記事へのコメント
おおっ。関数リファレンスは僕も作っていました。
mizさんに負けないレベルです。
確かにこれほどの技術情報を公開すると、
敷居が下がると言うか、
おまんまの食い上げみたいなことにもなりますよね。

面白い物が増えるのは賛成ですが、
悪意のあるスクリプトが増える可能性もあり、
もろ刃の剣ではあります。

コピーペーストで動く物を載せると、
安易な人が無限ループさせたりもするので
(勉強して欲しいと言う意味も込めて)
控えていました。

mizさんのその心意気、応援しています。
これからもがんばって下さい。
Posted by VtWin at 2007年06月25日 20:05
はじめましてー。最近はじめて、ここを参考にスクリプト勉強してます。
すごくわかりやすくて助かってます!とてもよいスタンスだと思うので
これからもマイペースでがんばってくださーい
Posted by Fin at 2007年06月26日 00:20
>VtWinさん

すでに関数リファレンスがあるようなら私が書く必要もないかもしれませんw
それは公開されているものですか?

悪意のあるスクリプトに関しては、あくまでもモラルの話であって、情報の公開とは直接的な関係はないと思っています。
格闘技を教えたら人を殴るヤツが増える、なんてことはないはずです。

スクリプトを暴走させてしまうのは困りますねぇ。
なるべくそういうことが無いように、危険な部分や負荷が高い処理などについては説明をきちんと付けるようにしています。
まぁ、私も
「うわ、やらかした!」
と青くなって慌てることを何度か繰り返し、いろいろ気をつけるようになりました。

>Finさん

ありがとうございます。
遅々として更新が進まないblogではありますがよろしくどうぞ。
Posted by Miz at 2007年06月26日 10:35
Mizさん、始めまして。
「セカンドライフ公式ガイド」をすぐに購入しましたが、「この本だけではよく分からん!」と欲求不満で、情報を求めネットを探していてこのHPに出会いました。
「おお、これでやっていけるぞ!」と感激し、Mizさんのスタンスに感服です。
感謝の意をお伝えしたくコメントさせて頂きました。
Posted by rinsui Hax at 2007年06月26日 15:11
>rinsui Haxさん

お役に立って何よりです。
しかし当blogにはスクリプトの情報しかありませんので、ビルドとかアニメーション等は別途情報収集して下さいませm(_ _)m
Posted by Miz at 2007年06月26日 16:15
Mizさんの記事にはいつもお世話になってます。
自分はWebデザインがRLの本職なのですが、WordPress関係のブログをぼちぼちとやってます。

ノウハウは大切ですが、出来る人はこちらから提供しなくてもできちゃうし、出来ない人はいくら資料を出しても出来ないとと思ってるので・・・

スクリプトは手段であって目的ではないので、大切なのはスクリプトではなくアイデアですよね。
それが商品価値になると思ってます。

ちょい脱線しちゃいましたが、Mizさんのスタンスは非常に共感を持てますし、多くに人の役に立っていると思ってます。
これからも是非がんばってください!
Posted by Amber Hermans at 2007年06月27日 09:37
>Amber Hermansさん

そうですね。
ぶっちゃけた話、技術は努力でカバーが効く部分だと思います。
オリジナリティという観点で見たときには、その人それぞれの感性や価値観みたいなものこそが重要になるのでしょう。
そこは人から教えられるものではないし、何が正解というものでもないと思っています。
私にできるのは、何かやってみたいのだけれどもどうしたらいいかわからない、という人に対して最初のきっかけを提供することだけです。

まぁ、なんだかんだ綺麗事を並べていますが、単に私はLSL組むのが好きなんだと思います。
いろいろ試したり、実験したりするのが面白い。
なので、
「LSLって面白いよ~、ほらほら~」
と言っているだけなんです(^^;
Posted by Miz at 2007年06月27日 10:44
いつも参考にさせてもらっています。
LSLに関する書籍が出たら、布団の中で寝転がって読めるので便利だと思いました(^^)
Posted by march at 2007年07月01日 08:08
>marchさん

そうですね、書籍には書籍のメリットももちろんあると思います(^^
Posted by Miz at 2007年07月01日 21:52
はじめまして。いつもこのブログにはおせわになっておりまする。
このようなすんばらしい情報があることで、LSLの面白さをあじあうことができまする。リファレンスもがんばってくださいませ。楽しみにしておりまする。
Posted by thoru at 2007年07月04日 18:16
何か面白いものを作ろうと思ったときに、もともとプログラミング初心者だった私にはこのブログの記事が最高に役立っています。

私自身のスクリプティングについてはやや限界があるというのも分かってきていますがそれでも自分で考えたアイディアが形になって動くのを見るのはとても楽しいものです。
友人のスクリプターと話しをするときにも、このブログで読んだ記事の知識がとても役立っています。

本当に感謝です。
Posted by Hajime Noel at 2007年07月05日 11:35
「多くの人にlslで遊んでいただきたい」というのが本心なら、
なおさら書籍化すべきだと思いますけどね。
Posted by Torisugari at 2007年07月06日 16:21
>thoruさん

リファレンスはマイペースで頑張らせていただきます(^^;

>Hajime Noelさん

別にスクリプトの達人になる必要もないですよね。
自分なりに楽しめるのが一番だと思います。

>Torisugariさん

そういうご意見も企業さんからはいただきますが、私のスタンスとは相容れません。
「blogの宣伝が足らない」というご指摘でしたら、ごもっともですと言わざるを得ませんが。
Posted by Miz at 2007年07月06日 19:36
はじめまして。

いつも、このサイトを拝見させていただいてまして、お世話になっております。ありがとうございます^^

SLの情報はまだまだ少ない中、貴重なHPだと思ってます。
できればこのまま続けていって欲しいですね^^

書籍化も含めて、賛否あるのかもしれないですが、Mizさんがつくられたものを公開してるだけですからねー。なんら問題ないと個人的には問題ないと思ってます。商売あがったりっていっても。。。

特にリファレンスは大変な作業ですが、すでに英語版がある以上、和訳して文句言われることはないと思います。それに、関数ひとつひとつがわかってても、それだけでは何もできませんからね。人それぞれでいろいろなものができるわけで。

っと、うまく言えませんが、応援してますので、できれば続けていってくださいね^^

倒れられないことを祈ってます^-^

うまくいえませんが、個人的には非常にありがたいし、
Posted by Motty at 2007年07月08日 05:52
こんにちは(夜ですけどとりあえずw)
スクリプトの説明もさることながら、そのスタンスにちょっと感動いたしました。
確かに楽しむべき世界ではありますが、存在する技術はオープンであるべきであるという発言は、クローズな知識を持つ人間はなかなか言わないものだと思いました。
クローズなものをクローズなままにすれば、その人たちだけでそれを独占できるわけですし。

普通書籍化なんて言ったら飛びつく人のほうが圧倒的に多いでしょうし、それを無償で技術公開するのがちょっとびっくりですが・・・
なんかすごい人もいたもんだなぁって思ったのですが、何が言いたいのか完全にわからなくなってきたので失礼します
Posted by vr at 2007年07月14日 01:50
はじめまして。こちらのサイトには、かなりお世話になっております。有難うございます。
わたくし、何の因果か RL では印刷業に勤めているのですが、仕事自体はオープン系のシステム屋です。技術屋です。
そういう関係で、経営サイドの人間と、インターネットなどの新しいメディアの進歩と印刷業の斜陽化について話をすることが多いのですが、印刷物には印刷物のもつ特徴があり、それは一覧性や直接メモ書きができ、簡単に持ち運べる手軽さなどなどいくつか優位な点もあると言われます。
昔、といっても子供のころですが、ベーマガやOh!FM-TOWNSなどの投稿プログラマーをしていたことがありまして、とかくTOWNSに関しては、赤本と呼ばれた完璧なリファレンスがあり、本当に助かったものです。
リファレンスガイドは、ペラペラっとめくれる一覧性や、手軽さが求められますし、確かにこういうものが一冊あるととても助かります。
サンプル集とか逆引き的なものもよいですが、ガリガリ書く人の資料としてはいまいちです。
単にブームで売れそうだからというだけの出版社さんには閉口ですが、金儲け至上主義ではなく、テクノロジーへの貢献として、技術ベースのしっかりしたリファレンス本を、クイックな改版も含めて、ちゃんと対応してくれるところがあるのなら、ぜひ手に入れたい、ともちょっぴり思うのでした。
贅沢かも。いやはや、好き勝手言いまして、すみませんでした。
これからも頑張って下さいです(^^)/
Posted by まさたろ at 2007年09月03日 10:41
>まさたろさん

仰ることよく解ります。
私もリファレンス大好き人間ですので(^^;
解説書は無くともリファレンスは欲しいと思う部類です。

しかしながら、LSLに関して言うなら、英語ながらリファレンスはWeb上に存在し、また、言語的にもそれほど高等なスクリプトだとは思いません(失礼)。
個人的には、この程度の言語のために高いお金を払うのはもったいないと考えています。
実際、私自身が買うことはないでしょうし。

・・・というのが建前で、実際には、本を書くほど暇ではないし、書いたら責任が生じるし(個人のblogですら時に重荷に思うのにw)、5億くらいもらえるならやってもいいけど、それ以下だと割に合わないっていうのが本音ですw

「日本LSLユーザー会」みたいなのが出来て、そこが中心になっていろいろまとめてくれるなら良いんでしょうけど(^^;

・・・誰がやるのかしらwww
Posted by Miz at 2007年09月04日 00:44
>Miz さん

なるほど。リファレンスはあると便利ですが、確かに現時点では書籍にするほど仕様が確定していないというか、発展途上の感もありますね。

それと、仰る通り、この手の本を書くのは、割があわないことが多そうですね。普通の利用ガイドとか初心者本ならともかく、国内でどれだけの人が買うのかというのはありますね。出版社の方は何冊くらい出ると見込んでいたのだろう。。。

無償で日本語リファレンスをまとめられていらっしゃる Miz さんには本当に感謝です。有難うございますm(__)m

私は、ごく最近仕事のしすぎで倒れたクチでして。サイトへの期待は大きいと思いますが、無理をなさらずご自愛くださいませ。ではでは(^^)/
Posted by まさたろ at 2007年09月04日 07:57
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。